全国約1700ある市町村のうち町は743。同じ「町」でも読み方は「ちょう」と「まち」で分かれる。東日本は「まち」、西日本は「ちょう」が優勢だが、理由は専門家にも不明という。東西の境目に位置する福井県の大学生が、謎に挑んだ結末は―。
プロジェクトのきっかけは昨年5月、地元の福井新聞が紙面とウェブサイトで公開した「町」の読み方を調べた全国マップだった。県内の町は全て「ちょう」と読むが、同社の嶋本祥之記者(41)が延伸開業した北陸新幹線の取材で、沿線の長野県軽井沢町は「まち」と読むことに気付き、記事にした。
嶋本記者は総務省の全国地方公共団体コードなどを基に分類。現在の読み方と平成の大合併前の1970年当時も調べた。北海道や東北・九州の一部などで例外はあるものの、おおむね福井―岐阜―愛知―静岡より西側は「ちょう」、東側は「まち」となっていた。
福井県立大地域経済研究所の青木和人教授(地理情報学)が、嶋本記者と共により詳細に調べようと学生に声をかけたところ、興味を持った学部1、2年生計約10人が手を挙げた。昨年11月、プロジェクトが発足した。