「町」の読みが書かれた文献は少なく難航したが、学生たちは米軍が終戦前後に作った地図や、NHK福井放送局の地名辞典に着目。12月には住民に聞き取りを実施し、郷土資料館にも足を運んだ。
調査の結果、70年代まで福井県内の旧今庄町と旧南条町(ともに現南越前町)は「まち」と読み、県内でも読み方が混在していた可能性があることが判明。にぎわいのある地域を「まち」と呼んでいたとの証言も得られたが、謎の解明には至らなかった。
予定していた活動は昨年終了。参加した1年の岩崎日向さん(19)=福岡県大任町出身=は「調べれば調べるほど奥深く、面白かった」と語り、学生たちは活動継続に意欲を示す。
地名に関する多数の著作がある地図研究家、今尾恵介さん(65)は市町村の歴史的成り立ちや、都道府県の方針が関係するのではないかと推測するが「はっきりとしたことは分からない」と話す。日本では地名研究が学問として確立されていないという。「ぜひ学生たちに法則性を明らかにしてほしい」と期待した。